今日(7月31日)のマグリブ(日没)の礼拝後から、ラマダーンが始まりました。イスラームの1日は日没後から始まるということは昨年まで知らなかったのですが(大河原先生ありがとうございました)、結局は午前12時という括り方は日付変更線による取り決めであって、太陰暦を採用しているラマダーンでは太陽と月の動きを中心に現在でも暦が運用されています。
私が滞在しているIIUM(イスラーム大学)の友人が、イシャ(大体9時頃でしょうか)の礼拝のために大学のメイン・マスジドへ連れて行ってくれました。
イシャ自体はすぐに終わることを知っていたので、その後で夕食を食べようとタカをくくっていたのですが、そんなに甘くはありませんでした笑。これまた全然知らなかったのですが、Tarawihというラマダーン月に行なう特別の礼拝が2時間続きました。20ラクア(ラカアート)続きます。1時間経って(つまり10ラクアを終えて)多くの人が帰ったのですが、さすがイスラーム法学を勉強し、厳格な信仰をもつ私の友人です。2時間休むことなく礼拝を続け、終わった後はスッキリした顔をしていました。私はというと、最初はおとなしく座り、ラクアの数を数えていたのですが、途中で数が分からなくなったのでクルアーンを読んでいました。
子供たちは途中で飽きたのか、後ろの方で遊んでいました。どこでも一緒ですね笑。絨毯の上をエンドレスでゴロゴロと転がっている少年を見たときには、そんなに暇かと笑いました。
また、完全に父親を見失った幼児にも遭遇しました。その子は、後に父親に抱かれていましたが、父親が床に膝まずく度に放り出されるので、ワンワンと泣いていました(「お父さん、お母さんのところに行きたい」みたいなことを言っていました)。その子の写真。
子度たちの中にも、何人かでくっついて礼拝をしている姿をあちらこちらで目にし、彼らも出来る限りで頑張っているのだなあと実感しました。
明日は一日断食に挑戦してみます。私自身には断食の宗教的意味がないので、ムスリムのようなわけにはいきませんが、彼らの身体的状況だけでも追体験できればと思っています。
About Me
- MAKOTO SAWAI
- My academic interests are exegesis of the Qur'an and its historical development, and the mystical theories of Sufis(Mystics) in the early Islam, and re-examination of the concept "mysticism" in Religious Studies. 現在の学術的関心は、クルアーン解釈とその思想的展開、初期イスラームにおけるスーフィー(神秘家)たちの神秘的理論、さらに宗教学における「神秘主義」概念の再考です。
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