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My academic interests are exegesis of the Qur'an and its historical development, and the mystical theories of Sufis(Mystics) in the early Islam, and re-examination of the concept "mysticism" in Religious Studies. 現在の学術的関心は、クルアーン解釈とその思想的展開、初期イスラームにおけるスーフィー(神秘家)たちの神秘的理論、さらに宗教学における「神秘主義」概念の再考です。

Saturday, August 1, 2015

2015年春期について

年度をまたいで久しぶりの更新となりました。
これまでの経緯を申し上げると、2014年9月下旬にエジプトから帰国した後は、博士論文を書いておりました。1月頭に提出するという無茶も何とか乗り切って(本当にあり得ないということが周囲の話を聞いてみてよく分かりました)。3月下旬には無事に博士号を取得し、東北大学大学院を修了することができました。

博士論文のタイトルは、「イスラーム神秘思想の源流――神名解釈としてのイスラーム思想史――」です。内容自体は、これまで書いてきた論文を中心に、カイロ留学時に提出したイブン・アラビーの神名論に関する英語の修士論文を日本語に翻訳したものを加えております。昨年問題になったS細胞に関する研究不正の問題もあり、ネット上で公開することが原則になっています。現時点では、本として出版することも見越して、出版後に公開するという方針でいます。

この4月からは、日本学術振興会特別研究員PDで東京大学東洋文化研究所にお世話になっています。前期間は東京に滞在して、いくつかの授業にも顔を出させていただきながら、研究活動を続けておりました。

これまで、東文研には鎌田ゼミに出るために通った思い出の地でした。毎週のように図書室で資料を閲覧していました。書庫の中には残念ながら入ることができなかったので、出納してもらって利用していました。しかし、この4月からは東文研でも机をいただいて、研究できる環境にあったため、もちろん書庫に入庫できるという大特典付きでした。
日本でイスラーム思想を研究するためのベストの環境に身を置くことができました。

研究発表については、東文研・ASNETセミナーで「神の名とともに生きる―クルアーン解釈の多様性」という発表と、羽田正先生が主催されている新しい学問を考える会で、「スーフィズムからイスラーム神秘主義へ―思想研究からの眼差し」という発表などをさせていただきました。他にもゼミなどの場でも少しお話させていただいて、キリスト教神秘主義側からのコメントをいただいたりもしました。

主観的ではありますが、会自体は盛況で 色々なコメントを頂戴しました。議論が盛り上がりすぎて、懇親会に持ち越され、それでも決着がつかずという状況でした。そうした議論を通して、色々なことを考えさせられました。

これらの研究発表の内容を早く論文にするように仰っていただいているので、早くご披露できるように8月しっかり頑張りたいと思います。
8月末には国際宗教学会で、9月頭には日本宗教学会で発表予定です。博士課程を終えた今が頑張りどころだと思うので、名前を覚えてもらえるように色々なところに顔を出したいと思います。

 ちなみに、8月1日に奈良に帰り、秋期からは奈良を拠点に活動する予定です。


ハーバード大学滞在報告/Report of Staying at Harvard University (Aug 2016 - Jan 2017)

年度末となりました。久しぶりの更新となりましたが、昨年8月末から1月初旬までアメリカへ再び渡航し、今年の2月はトルコに滞在しておりました。何だか少し遠い昔のことのように感じますが、滞在報告を記しておきます。 私が滞在していたのは、ハーバード大学神学大学院に併設されている世界...